空力係数とは
空力係数(Aerodynamic coefficient)とは、物体の空力特性(揚力・抵抗・ピッチングモーメント)表す無次元のパラメータで、風洞試験や解析から得られます。
空力係数は、物体に生じる揚力・抵抗・ピッチングモーメントを一様流の動圧と物体を代表する面積(長さ)で割った無次元数で表します。
\(\displaystyle C_L = \frac{L}{\displaystyle \frac{1}{2} \rho {V_\infty}^2S} \tag{1}\)
\(\displaystyle C_D = \frac{D}{\displaystyle \frac{1}{2} \rho {V_\infty}^2S} \tag{2}\)
\(\displaystyle C_M = \frac{M}{\displaystyle \frac{1}{2} \rho {V_\infty}^2 S \ l} \tag{3}\)
\(C_L\) | 揚力係数 [−] |
\(C_D\) | 抵抗係数 [−] |
\(C_M\) | ピッチングモーメント係数 [−] |
\(L\) | 揚力 [N] |
\(D\) | 抵抗 [N] |
\(M\) | ピッチングモーメント [Nm] |
\(\rho\) | 空気密度 [kg/m3] (=1.225, 地上0m, 15℃) |
\(V_\infty\) | 空気速度 [m/s] |
\(S\) | 代表面積 [m2] |
\(l\) | 代表長さ [m] |
空力係数は、円柱・翼型など対象によって代表面積(長さ)の定義が様々なので注意が必要です。
空力係数を決めるパラメータ
空力係数は物体の大きさや一様流の動圧に依存せず、以下のパラメータで決まります。
- 物体の形状
- 姿勢(迎え角)
- レイノルズ数
- マッハ数
- 表面荒さ
- 一様流の乱れ
物体表面が滑らかで一様流に乱れがない場合、⑤表面荒さ・⑥一様流の乱れは無視できます。
空力係数はレイノルズ数・マッハ数が一致した流れで形状・姿勢(迎え角)が同じなら一様流の動圧や物体の大きさによらず同じになります。
まとめ
- 空力係数とは、物体の空力特性を表す無次元のパラメータである。
- 空力係数は、レイノルズ数・マッハ数が一致流れで形状・姿勢が同じなら、一様流の動圧・物体の大きさを問わず同じになる。
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