粘性係数と動粘性係数

粘性係数とは

粘性係数とは、流体の粘性の大きさを表す係数のことで \(\mu\) [Pa・s]という指標で表されます。粘性係数が大きいほど粘性による抵抗が大きい流体ということを示しています。

サザーランドの公式

粘性係数は温度によって変化することがわかっており、粘性係数を求める式をサザーランドの公式(Sutherland’s formula of viscosity)といいます。

\( \displaystyle \frac{\mu}{\mu_0} = \left ( \frac{T}{T_0} \right )^{\frac{3}{2}} \cdot \frac{T_0 + S}{T + S}   \tag{1}\)

\(\mu\) 粘性係数 [Pa・s]
\(\mu_0\) \(T_0\)における粘性係数 [Pa・s]
\(T\) 気体の温度 [K]
\(T_0\) 地上での気体の温度 [K]
\(S\) サザーランドの定数 [K]

(参考:航空力学の基礎(第2版), P.27 (2.36式))

空気の場合、U.S. standard atmosphere, 1976では以下の定数を使用します。

  • \(\mu_0 = 1.7894 \times 10^{-5}\) [Pa・s]
  • \(T_0 = 288.15\) [K]
  • \(S= 110.4\) [K]

(1)式にこれらを代入すると、「標準大気」の記事で解説した粘性係数の計算式と同じになります。

動粘性係数とは

動粘性係数とは、粘性係数を密度で割って得られる係数で以下のように表されます。

\(\nu=\displaystyle \frac{\mu}{\rho} \tag{2}\)

\(\nu\) 動粘性係数 [m2/s]
\(\mu\) 粘性係数 [Pa・s]
\(\rho\) 流体の密度 [kg/m3]

(参考:航空力学の基礎(第2版), P.16)

粘性係数は、流体を動かすときに摩擦応力がどれだけ発生するかを表すものでした。しかし、いくら大きな摩擦応力が発生しても動かす流体自体が重ければブレーキの効果は小さくなります。

  • 摩擦応力が働いたとき、重い流体は止まりにくい。
  • 摩擦応力が働いたとき、軽い流体は止まりやすい。

このように流体の流れを考える時には、摩擦応力の大きさだけでなく流体自身の重さである密度を考慮する必要があります。

動粘性係数は流体の粘性力と重さを考慮した係数であり、動粘性係数の大きい流体は摩擦応力が伝わりやすい流体であるといえます。

まとめ

  • 粘性係数:摩擦応力の発生のしやすさを表す(大きいほど摩擦応力が発生する)
  • 動粘性係数:摩擦応力の伝わりやすさを表す(大きいほど摩擦応力が伝わる)
参考資料
次の記事

層流と乱流

2018.02.26

次の記事では、粘性流体のもう一つの特徴である「層流と乱流」について解説します。

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ABOUTこの記事をかいた人

1985年9月生まれ。大阪出身。息子と娘の2児の父。
東北大学大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻 修士課程修了。
学生時代は数値流体力学を用いた航空機の空力設計の研究に従事。
卒業後は航空機製造メーカーにて旅客機の設計を担当。