静圧と動圧 ー 流体の圧力と運動エネルギーの等価交換

静圧と動圧とは

  • 静圧(static pressure)とは、流体の圧力 のことです。空気であれば大気圧に相当します。
  • 動圧(dynamic pressure)とは、流体の持つ運動エネルギーを圧力の単位で表したものです。

同じ流線上で静圧と動圧は互いに交換し合う関係があり、圧力が下がると流れは加速し圧力が上がると流れは減速します。

静圧と動圧の和のことを全圧または総圧(total pressure)といい、摩擦のない流れでは全圧は常に一定になります。

静圧と動圧の関係式

静圧と動圧の関係式はベルヌーイの定理で表されます。

\(\displaystyle \underset{\text{動圧[Pa]}}{\underline{\frac{\rho v^2}{2}} } +  \underset{\text{静圧[Pa]}} {\underline {p} } = const. \tag{2}\)

\(\rho\) 流体の密度 [kg/m3]
\(v\) 流体の速度 [m/s]
\(p\) 流体の圧力 [kg/m2]

上の式は圧力の次元で表したベルヌーイの定理で、動圧と静圧が一定になることを示しています。(位置エネルギーは無視できるものとして省略しています。)

 ベルヌーイの定理とは?

まとめ

  • 静圧とは、流体の圧力のこと。
  • 動圧とは、流体の運動エネルギーを圧力の単位で表したもの。
  • 静圧と動圧の和(全圧)は常に一定。
次の記事

よどみ点とよどみ点圧

2018-03-25

次の記事では静圧と動圧に関連してよどみ点とよどみ点圧について解説します。よどみ点は翼型の流れにおいて重要な考え方ですので是非ご覧ください。

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ABOUTこの記事をかいた人

大阪出身。
東北大学大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻 修士課程修了。
学生時代は数値流体力学を用いた航空機の空力設計の研究に従事。
卒業後は飛行機設計関連の仕事を担当。