翼型の形状定義 ー 翼型の形状を決める2つのパラメータ(翼厚とキャンバー)

この記事では、飛行機の翼の断面である翼型(2次元翼)の形状の定義について解説します。

翼型の形状は飛行機の性能を大きく左右するとても重要なものです。飛行機の設計で必ず使用するものですから、翼型の形状定義をしっかり学んでおきましょう。

翼型とは

翼型(Airfoil)とは、飛行機の翼を上から下にまっすぐ切ったときにできる翼の断面形状のことです。2次元翼(Two-dimentional wing)ともいいます。

翼型の形状を決める2つのパラメータ(翼厚とキャンバー)

翼型の形状は翼厚(Thickness)キャンバー(Camber)の2つパラメータによって決まります。

翼型の形状定義

翼型の形状は、前縁を原点としてコード線(翼弦線)をX軸上に定義します。

外形線 翼型の外形形状を表す線。
キャンバー(中心線) 翼型の反り具合を表す中心線。
コード線(翼弦線) 翼型の基準となる前縁と後縁を結んだ線。キャンバーに対して弓の弦のように見えることから翼弦線と呼びます。
前縁 キャンバーの前方端の点。
後縁 キャンバーの後方端の点。
コード長(翼弦長) コード線の長さ。
最大キャンバー コード線を基準にキャンバーの高さが最大となる長さ。コード長を100%として、キャンバー3%など長さの割合[%]で表します。
最大キャンバー位置 最大キャンバーの位置。コード長を100%として、前縁から20%など長さの割合[%]で表します。
最大翼厚 翼上面と翼下面の距離が最大となる長さ(同一X座標上)。コード長を100%として、厚さ10%など長さの割合[%]で表します。
最大翼厚位置 最大翼厚の位置。コード長を100%として、前縁から20%など長さの割合[%]で表します。
前縁半径 前縁に接する円の半径。コード長を100%として、半径の大きさ2%など長さの割合で表します。

まとめ

  • 翼型の形状は翼厚とキャンバーの2つのパラメータで決まる。
  • 基準となる線は常にコード線(翼弦線)である。
次の記事

次の記事では、ライト兄弟の翼型から現代の旅客機の翼型まで様々な翼型形状の種類について解説します。

翼型の種類と特徴 ー ライト兄弟の飛行機から現代の旅客機まで

2017-09-25
スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ABOUTこの記事をかいた人

大阪出身。
東北大学大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻 修士課程修了。
学生時代は数値流体力学を用いた航空機の空力設計の研究に従事。
卒業後は飛行機設計関連の仕事を担当。