大気の構造
地球の大気は、海上(地上)から順に「対流圏・成層圏・中間圏・熱圏・外気圏」の5つの層から成り立っています。
飛行機が飛んでいる高度1万メートル(10km)は一番下の対流圏で、地球の大気の中ではとても低い高度であることが分かります。
一方、気球の上昇する高度は50kmほどと飛行機よりも高いです。なぜ飛行機は高度1万メートルまでしか上昇しないのでしょうか?
ここで高度100kmまでの空気の状態(圧力・密度・温度)を見てみることにします。
高度100kmまでの大気の圧力・密度・温度
上のグラフは、標準大気の圧力・密度・温度の高度による変化を示しています。
高度が高くなるほど圧力・密度がどんどん低くなっていることがわかります。
旅客機の飛行高度1万メートル(10km)では、空気密度は地上に比べて33.7%しかありません。空気抵抗が小さいかつエンジンもまだ使用できる環境です。
一方、気球の高度50kmの空気密度は地上に比べわずか0.08%、ほぼ空気がない状態です。この高度ではエンジンの燃焼に必要な酸素がないため、飛行機では飛行できません。
まとめ:大気の構造
- 大気には5つの層「対流圏・成層圏・中間圏・熱圏・外気圏」がある。
- 飛行機の飛ぶ高度1万メートルは一番下の対流圏。
- 飛行機は空気抵抗とエンジン効率の兼ね合いから、効率の良い高度を飛行している。
参考資料
- NASA-SP-367: Introduction to the aerodynamics of flight
- NASA-TM-X-74335: U.S. Standard Atmosphere, 1976
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次の記事では、標準大気とその大気の性質「圧力・密度・温度・音速・粘性係数・動粘性係数」の計算式を解説します。
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