マッハ数による流れの分類
マッハ数によって流れを4つに分類することができます。
マッハ数 | 名称 |
0 ~ 1 | 亜音速流(Subsonic flow) |
約0.8 ~ 1.2 | 遷音速流(Transonic flow) |
1.0 ~ 5.0 | 超音速流(Supersonic flow) |
5.0以上 | 極超音速流(Hypersonic flow) |
亜音速流(マッハ数:0 ~ 1)
亜音速(Subsonic)は音速以下の速度のことで、一般的なセスナ機や旅客機はこの速度の領域で飛行しています。
亜音速で飛行していても、翼型の上面では流れが加速するためマッハ数0.8程度で局所的に音速に達します。その時の一様流マッハ数のことを臨界マッハ数(Critical Mach number)といいます。
亜音速で生じる空気抵抗は、摩擦抵抗・圧力抵抗・誘導抵抗の3種類だけです。
遷音速流(マッハ数:約0.8 ~ 1.2程度)
遷音速(Transonic)は臨界マッハ数以上の速度のことで、通常マッハ数0.8~1.2程度です。(翼型によって異なります。)
遷音速の流れでは一様流が音速以下でも翼上面で超音速に達します。翼上面では超音速から亜音速に減速する際に衝撃波が発生します。
衝撃波によって造波抵抗が生じるため、空気抵抗がとても大きくなります。また衝撃波の後方では正の圧力勾配によって境界層の剥離などの悪影響もあります。
造波抵抗とは?(工事中)
正の圧力勾配とは?
境界層の剥離とは?
超音速流(マッハ数:1.0 ~ 5.0程度)
音速以上の速度を超音速(Supersonic)といいます。過去にコンコルドという旅客機がこの速度帯を飛行していました。
超音速の流れでは翼の前方と後縁部分に衝撃波が生じます。速度を増すにつれて前方の衝撃波はどんどん傾いていきます。
極超音速流(マッハ数:5.0以上)
マッハ数5.0以上の流れを極超音速流といいます。この速度帯を飛ぶのは飛行機ではなくロケットやスペースシャトルなどです。
まとめ:マッハ数による流れの分類
- マッハ数によって、亜音速・遷音速・超音速・極超音速の流れに分類できる。
- 一般的な飛行機は亜音速の領域で飛行する。
- 遷音速以上の流れで衝撃波が発生する。
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